看護師の仕事は、人間相手ということもあり、予定通りに事が運ぶとは限りません。そのため、交代時間や終業時間になっても帰れないということがよくあります。
自分のやるべき仕事を残したまま引き継ぐわけにはいきませんし、少しずつでもやり残しを貯めてしまうと後々手に負えない状況になってしまいますから、残業をして片付けることになるのです。
しかし、その残業は一般的に考えられるレベルとは違い、日本看護協会が2009年4月に公表した勤務実態調査の結果によると、交替制勤務の看護師の23人に1人、全国推計では約2万人の看護師が、月60時間以上の時間外勤務をしていて、過労死の危険水準にあるということでした。
この調査は病院で働く看護師1万人に対して2008年10月の勤務実態を調べたものなのですが、1ヶ月の時間外勤務は平均23.4時間、更に30時間を超えるものが全体の約21%、60時間を超えるものが4%という驚くべき結果となりました。年齢が若くなるほど時間外勤務の時間は長く、疲労を訴える割合も本来なら低くなるはずの20代が最も高いという皮肉な結果となっています。
勤務内容としても、約8割の看護師が、通常の残業以外に「前残業」と呼ばれる仕事をほぼ無償で行っているということが明らかになりました。前残業とは、受け持ちの患者の状態確認を始業時間以前にしておくというものです。
このような残業と前残業が当たり前のように行われることによって、3交代制であれば、次の勤務までの間隔が6時間未満となってしまい、数時間の休憩だけで24時間以上の勤務をすることになってしまいます。ただでさえ長時間勤務が問題となっている看護師ですから、前後に残業が付くと更に過酷な労働条件になってしまうのです
しかも、このような超過勤務に対してきちんと時間外手当が払われていない場合もあります。見た目だけ残業がないように感じられることもありますから注意が必要です。
看護師の仕事は交代制、シフト制のため、残業が少なそうに見えていても、過酷な長時間労働を強いられている場合もあります。そのような職場では若手がどんどん離職していき、更に残された看護師の労働条件を悪化させることになるのです。
異常な長時間労働を強いられれば、看護の質が下がり、医療事故のリスクも高まります。もし、転職先がそのような状態だとしたら、せっかく移っても勤務を続けること自体が困難になります。ですから、転職先を探す時点でできるだけしっかりとした情報を集め、納得のいく条件で働ける職場を見つけ出す工夫と努力が必要なのです。